肩こり・肩の痛み

治療は東洋医学を基本に発展してきた治療法です。従来の鍼治療は経絡と呼ばれるポイントに治療用の鍼を刺して刺激し、全体の気血の流れを改善することで様々な症状を緩和してきました。

 

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当院ではこの伝統的な鍼治療をベースとして、更に表面に出ている痛みの部位(僧帽筋・肩甲挙筋・半棘筋などの肩およびその周囲)と連動するポイントを探し出して、そこに対しても処置を施すことによって、より根本的な改善を促す治療法を採用しております。

 

これをトリガーポイント鍼治療と言います。通常肩こりと言えば、実際にこっている場所に湿布を貼ったり、マッサージを施したりしますが、人間の筋肉は離れた箇所とも連動していて、その連動箇所を刺激することで更に治療効果を高めるというのがこの治療法の目的です。

 

目の疲れから来るコリや痛みは、首から肩、肩から腰へと広がっていくのもこの連動性によるものだと考えられます。つまり、体の一部に強いこりや張りが出ている時にはそれと連動する次の箇所にもこりの原因である索状硬結(さくじょうこうけつ:血の流れが滞り硬くなっている箇所)が出来始め、次第に広がっていくという原理です。

 

肩こりや首のこりの場合、痛むところのみを改善しようとしても一向に回復しないのは連動性を考慮に入れていない可能性も考えられます。

 

鍼治療は、東洋医学として優れた治療法として確立されています。当院では、2つのアプローチから肩の痛みに対処していきます。

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肩こりの原因

以前に厚生労働省が実施したデータによると、日本人で肩こりに悩む人の割合は男性で約29% 、女性では約32%にのぼるとされています。男女とも3人に1人は、辛い肩こりの症状を抱えているという結果になります。

「肩こり」と言ってもその原因と種類に複数存在します。 肩こりの種類を原因別に分類すると、

1.筋肉疲労によるもの、 2.頸椎周辺の血管や神経の問題によって起こるもの 3.頸骨障害によるもの 4.歯の噛み合わの悪さによって起こるもの 5.頸部から胸部にかけての臓器に障害がある場合に起こるものに 分ける事が出来ます。

医学的には原因が異なる疾患は全て違う傷病名となりますから、これらの原因から更に細分化していくと実に多くの種類の肩こりが存在するという事になりますね

 

こうした肩こりの中で日本人に最も多いタイプは、首筋から肩関節にかけての筋肉疲労や血行障害によって発生する肩こりだと言われています。日本人は欧米人に比べて床に直接座る機会が多いことから猫背になりやすいと言われています。

 

猫背などの姿勢の悪さは、胸部や腹部の内蔵を圧迫することで血流が悪くなり、肩こりを直接引き起こす原因となります。また仕事や趣味で長時間同じ姿勢を維持する事も、血行を阻害し、肩こりを誘発する原因となります。

 

また虫歯や歯周病などは、噛み合わせが悪くなることにより筋肉の疲労を引き起こし 肩こりの原因となります。

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パソコンと肩こり

現代人を悩ませる肩こりの原因として、大きく取り上げられることが多くなったのがパソコンの普及です。今では仕事のみならず、趣味や自宅でのインターネット閲覧などでも利用されるため、パソコンの普及率は80%近くまでにのぼっています。

 

人間は同じ姿勢を長時間維持していると次第に血流量が低下し、様々な障害を引き起こすリスクが上昇します。安静時でも心臓は動いていますが、末端にいくほど血液を押し出す力は弱まります。

 

それを補うのが血管の収縮によるポンプ作用なのですが、これは筋肉の動きと連動しています。同じ姿勢を長時間維持していると筋肉の動きが制限されるため、連動する血管の収縮幅も小さくなり、十分なポンプ作用が得られなくなります。

 

生活習慣病の予防には適度な運動が不可欠とされているのも、運動によって色々な関節や筋肉を稼働させる事で、血管のポンプ作用効果を向上させ、血流量を上げて代謝を活性化させるという目的が重要視されているからです。

 

パソコンを利用する時に長時間同じ姿勢を保っていることで起こる肩こりはこうした血流障害による筋肉疲労が原因となります。また輝度の高いモニターを長時間見続ける事で、眼が疲労し、首筋にこりやハリを感じるようになります。そのまま作業を続けるとそのコリやハリは次第に肩から上腕に広がり、下方には腰に向かって広がっていくことになります。

 

しかし、現代生活にパソコンは必需品であります。

 

どうしても使用する場合には、肩こりになりにくい姿勢と適切な使用時間を守ることが重要となります。出来れば30分に一度は軽いストレッチをしたり、目を休ませ、使用中は出来るだけ猫背にならないように注意しながらパソコンを使うようにしましょう。

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ストレッチと予防法

 日本人に多い肩こりの原因は、血流障害による頸部から肩関節周囲の筋肉疲労です。この点から、予防法として有効なのは、血流を上げる簡単なストレッチなどの運動と姿勢の矯正と言えます。

 

また眼が疲労すると目の周りの筋肉が硬くなり、血管を圧迫し首筋から肩の付け根にかけて頑固なこりが発生しやすくなります。パソコンやゲームなどを利用する時には、適度に目を休めることが重要になります。

 

ストレッチ

 

 ①猫背を矯正するために、両手の平を腰の位置にあてて少し肩を後ろ側に反らせるようにして胸を張ります。

 

 ②その状態で、背中側にある肩甲骨を大きくゆっくりと動かしていきます。

  肩甲骨を動かすと自然に肩関節が連動して動きますから、肩こりなどで肩関節や首の付け根に痛みを覚えている人でも少しずつ可動範囲を広げていく事が可能となります。出来る範囲からでかまいませんので、肩甲骨を狭めたり広げたり、あるいは上下に動かすなどの運動を呼吸を止めずにゆっくりと行なってみてください。

 

 

 ③左の手で、右の肘を持ちます。右腕を使って右の肩甲骨を回すように、左手で押していきます。次に腕を変えて行います。

 

 

肩関節周囲に血が通い始めると、次第にじんわりとした暖かさを感じ始めます。初めのうちは、必ず物足りなさを覚えるぐらいで終了してください。

 

慣れてきたら、少しずつ可動域を広げていってみましょう。しかし、既に頑固な肩こりに悩んでいる人の場合は肩こりを改善するための処置が必要な場合もあります。